東北地方一帯は三月十一日の東北地方太平洋沖大震災以降も余震に見舞われております。犠牲者の方々のご冥福を祈念すると共に被災者の方々のご無事を心よりお祈り申し上げます。
我々が、今回の大地震を捉えて一番に考えるのは、我が国は地震大国であり、特に三陸沖は大地震の危険性が大きいと言いながら、震災に対する被害の規模を想定した上でのシュミレーションと実際の訓練が、いい加減な御役所仕事によって全くと言っていいほど実行されていなかったという現実であります。近代のコンピューターによるシュミレーション技術は、あらゆる分野で高度且つ精密であり、今までの世界における大地震のデーターを踏まえた上で対策をすれば想定範囲はM7以上に止まらず、地球上で起こりうる限界とされるM10までを危険範囲と考えて準備することは可能であったはずである。
当然、その上で防波堤設備、避難所や避難経路も含めたしっかりとした避難訓練が県並び市町村に行き渡っているべきであり、今回のように死亡者・行方不明者合わせて二万人強などと言うとんでもない大惨事を引き起こす結果を招いて、何が地方自治体とか地方公共団体、災害対策本部などと言えるのか。民主党政権は、この度の震災による失態を隠す誤魔化しや言い訳ばかりの対応で、世界最大の大震災と名目を打ちながらも後手後手を踏み、その場限りの都合のいいマスコミの報道はこの非常時に再び国民を騙すものであり、こんな政権は完全に砂上の楼閣だ。
特に危険な問題である原発が爆発事故を起こし、多量の放射能を放出した後も政府の隠蔽としか思えない関係者による記者会見や尻込みの対応は、国民全体に未だに大きな不安を抱かせている。放射能が止まらずに、爆発の危険性がある国家の緊急事態において、最前線に立つべき自衛隊がその一時を争う最中、防護服を着ながらも怯え、見るからに腰が引け、完全な安全を確認するまで近寄れないという無様な姿をさらけ出し、民間の東京電力の職員や、その後はハイパーレスキュー隊に任務を任せる不始末である。国家国民を命をかけて守るという覚悟で、国民の大切な血税を高額に取りながらも、この様な弱腰で意気地なしの日本の自衛隊の実態に我々は深く失望した次第であります。
もし、日本が戦争状態になってしまったら、現在の自衛隊の何人が命をかけて戦えるのであるのか。仮に日本が戦いたくなくても、昨今の尖閣領海侵犯の様に野蛮な国家に侵略され、戦争になれば当然命の保証などは何処にもなく、安全などある訳がない。アメリカは世界平和の為に命をかけて常に戦っているが、日本の自衛隊は、自国の為にすら命をかけて立ち向かう勇気が全くないという悲しい現実を国民の皆様はどう考えているのか。
そして、もう一つ明らかになった事は、今回の放射能事故の福島原発を含め、日本にある17カ所の原発は無防備な核爆弾と言っても過言ではなく、北朝鮮の言う「ミサイルを打ち込んで日本を火の海にしてやる」という発言は決して非現実的なものではない証明であり、現在騒がれている沖縄米軍基地の危険性などとは比にならない。
東北大震災による被災者の復興支援や募金活動等は当然今は最重要課題であり、国民総意の協力がなければ成し得ないものであるが、ここまで大きな悲劇にしてしまった日本政府の国防における失敗を今後どの様に切り返し、二度と再び繰り返さない国家形成が将来を担う日本国民、そしてこの大地震による犠牲者や被災者に対する大きな責任であると我々は切に思うのであります。